NHK新人演芸大賞2009・演芸部門
Posted at 09/10/31 PermaLink»
2009年のNHK新人演芸大賞がテレビで放送されていた。各ネタの感想を書いてみます。
【しずる】
悪い顔をする2人。こういう晴れの舞台であえてネガティブな感じのネタを持ってきた気概は買いたい。ただ、このネタだとそれぞれのキャラが生かされてはいないのでそれほど高い評価は得られないだろうなあ、とは思う。
【ダイアン】
相撲がわからない人。昨年のM-1の「サンタクロース」と同じ形式のネタだけど、それと比べると細部の詰めがやや甘い気がする。相撲は格闘技の一種として、ある程度はわかってしまうくらいの展開にしないとリアリティが出ないのかな。でも十分面白いと思います。
【Wエンジン】
義理の母親に素直になれない。この設定だと、「ほれてまうやろー」と違って、モテない男の間抜けさみたいなものがなくて、本当にただのいい話になってしまうので、その分だけコメディとしての完成度は下がってしまうと思う。オチも流れに合ってなくて無理矢理な印象。
でも、キャラクターの強さという意味では、ここまで出た3組の中ではナンバーワンだと思います。たたずまいだけでも強い。勝ってる。そこはさすが。
【ニッケルバック】
サラリーマンがお医者さんごっこ。そもそも最初の設定に無理があるし、見る側がどのくらいのリアリティの枠の中で見ればいいのかをきちんと示してもいないので、不親切。しかも、入っている笑いの方向性もばらばら。改善の余地の多いネタだと思います。
【ハライチ】
ペットを飼いたい。形式そのものに新しさがあって面白い。後半からオチにかけてのくだりでもう一発何か仕掛けることができれば、とんでもない漫才になる可能性はあると思う。
【GAG少年楽団】
入院患者にサービス。うーん、ニッケルバックのネタとほぼ同じ感想になりそう。発想をかなりとばすことが要求される設定のネタなのに、キャラも展開もすべてが想定の範囲内で小さくまとまっている。
【スマイル】
居酒屋のバイト。テンポが良くて勢いがある。たぶん会場でもここがいちばんウケていたんだろうなあ、という感じ。ネタに関しては、脈絡なく無理に乗っけているみたいなボケが目立つのと、まとまりに欠けるのが気になります。でも、総合的には、元気があってよろしい、というだけです。
【プリンセス金魚】
街でファンに気付かれたら。キャラが見えないと面白くならない感じの設定のネタなのに、結果的にキャラが見えてこない。前半のボケを役柄変えて繰り返すくだりも、わかりづらくてすっきり笑えない。改善の余地が多いネタだと思います。
私が採点するなら、
(良い)ダイアン、スマイル
(普通)しずる、ハライチ、Wエンジン
(悪い)GAG少年楽団、プリンセス金魚、ニッケルバック
……っていう感じにします。大賞は、生で見た印象でダイアンかスマイルを選ぶしかないけど、客ウケも考えてスマイルにするのが順当なところか。
実際に大賞を受賞したのはスマイル。まあ、妥当といえば妥当な結果。でも、スマイルのこのネタは、昨年のM-1準決勝で敗れたときのネタなので、ここで勝ったからといってスマイルがM-1戦線で一歩リード、という感じでもないんですよね。
そういう意味では、この舞台で飛躍的な進歩を見せることができた人がいなかったのはちょっと残念なところです。昨年のM-1予選で期待されていたハライチも、この型が完成するにはまだ時間がかかりそうだなー、という印象でした。