ジャックナイフの憂鬱(その4)
Posted at 08/02/05 PermaLink»
ところが。Jを機関車トーマスにした番組はその後、伝説になった。Jはすぐにかぶりものをしなくなり、今田と東野はここぞとばかりにハジけた。東野が杉作J太郎をゲストに連れてきた瞬間に、この番組は1つ上のステージに達した。今田と東野の勢いに引っぱられて、Jは少しずつ自分の持ち味を発揮し始めた。
番組が『やりすぎコージー』にリニューアルされ、Jが進行役を務めるようになると、その存在感はさらに際立った。深夜枠で好き勝手に暴走する今田・東野を向こうに回して、Jは堂々とした仕切りっぷりを見せる。ときにツッコみ、ときに乗っかり、ときにスカして。Jのこれまでの芸人人生を集大成したような超人的な仕切り芸だった。Jが初めて、東京の番組で輝いた。
同じ時期に始まった『人志松本のすべらない話』でも、Jのマルチな才能は誰の目にも明らかだった。あの単純な構造の番組で、話し役、聞き役、進行(フォロー)役の3役を難なくこなす。
不思議なことだが、Jが聞き役に回っていると、他の芸人の話も何倍かおもしろくなる。おもしろそうに話を聞く技術、というか、自分でおもしろがりながらその場をおもしろげな雰囲気にする技術に秀でているのだと思う。思えば、Jは大阪時代からそういうところがあった。自分自身がおもしろいだけでなく、まわりをおもしろくする力も備えているのだ。
ここから先のことは皆さんもご存じの通り。おもしろくて才能のある芸人は、いつか必ず売れる。Jの場合、その「いつか」が来るのが思ったより遅かったけれど。いや、それはまだ来ていないのかもしれないんだけど。ジャックナイフは、錆びない。
(おわり)