友近は史上最強の女性芸人

Posted at 08/01/09

友近はたぶん、史上最強の女性芸人だと思うんですよ。改めてそう思ったのは、『検索ちゃんネタ祭り』で友近の新ネタ「クミ先生」を見たから。このネタは、すごい。

簡単に言うと、倖田來未っぽい若い女性が、学校の先生としてウザいしゃべり方でウザい思想に基づいてウザい授業を展開する、ただそれだけのコントなんですけどね。でも、ここまで真正面から悪意をばらまいて、それがきっちりネタになるというのは並大抵のことではない。

一応野暮な解説をしておきますと、このネタのもとになっているのはたぶん、『金スマ』という番組で倖田來未を密着取材したときのVTRだと思う。そこでは、とある女子高の教壇にいきなり倖田來未が現れて、女子高生たちに向かって生き方を説く、という身の毛もよだつような企画が行われていた。

『金スマ』はアタマの弱い女性向けの番組なので、その企画を「努力を重ねて大きな夢をつかんだ若き歌姫が、夢をかなえるための生き方を女の子たちに伝授する!」というような薄っぺらい感動モノとして提供していた。

でも、たぶん友近は、その番組を見ながらげらげら笑っていたのだと思う。マジメに人生を語る倖田來未、それに真剣に耳を傾ける女子高生たち、それを表向きには「いい話」としてまとめようとする番組制作スタッフ。それらすべてが、友近にはおかしくておかしくて仕方なかったのだろう。

それを友近は、迷いなく、ぬけぬけとネタに昇華してみせた。エイベックス製の巨大な偶像をシニカルにあざ笑う。まともに言葉を尽くして非難したりするよりもはるかに鋭く、悪意がステージ上を駆けめぐる。それをテレビの舞台で、つまりメジャーなお笑い芸として演じられる友近の才能は、想像を絶するものがある。

「倖田來未がウザい」というのは、誰の目にも明らかな事実でありながら、テレビや雑誌の中では公に口にすることを禁じられたタブーでもある。いちばん滑稽なのは、その程度のことがタブーになっている私たちの現実の方なのだ。友近はただ、滑稽な現実をそのままなぞっているだけなのかもしれない。

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